イノベーションストーリー

Innovation Story

イノベーション推進本部が取り組む
環境配慮型製品について①

環境に配慮したカトラリーと紙コップのご紹介

王子ホールで開催されたコンサートで、
イノベーション推進本部の環境配慮型製品の一部をご紹介しました。

王子グループでは、文化貢献活動の一環として本社本館ビル内に「王子ホール」を併設しています。クラシック音楽を中心にコンサートが開催されています。銀座という立地もあり、根強いファンが多いことで知られています。
この度、2024年初春に開催された当社主催コンサートで、イノベーション推進本部が研究開発を進めている環境配慮型製品の一部を紹介しました。

当日のコンサートでは、軽食や飲み物と一緒にカトラリー類を用意し、お客様がその場で利用したりご覧いただいたりできるよう、さまざまな場所に設置しました。

サステナブルなカップとカトラリー

この度は、以下の製品を紹介しました。

■ テイクアウト用カトラリーセット
  カトラリー:セルロースと生分解性プラスチックを複合化した「リソイルグリーン」
  包装材:中身が見えるバリア性紙素材「シルビオクリア」

■ リサイクル可能な紙カップ
  マテリアルリサイクルに対応した環境配慮型コップ原紙を使用した紙カップ

いずれもイノベーション推進本部の「環境配慮型製品」として、開発と製品化を進めているものです。

写真左:リサイクル可能な紙カップ 写真右:テイクアウト用カトラリーセット

セルロースと生分解性プラスチックを複合化した
「リソイルグリーン」

機能材開発センターでは、バイオマス素材を活用したセルロース複合材「リソイルグリーン」を開発しています。
生分解性プラスチックとセルロース(パルプ)を複合化することにより、一般的な生分解プラスチックよりも高いバイオマス度と生分解速度を達成できるだけでなく、強度や剛性などの特性も向上させることができます。

今回は、この素材を使用してスプーンとフォークを作りました。この素材は、構成するすべての原料が土中の微生物によって分解されるため、通常のプラスチックに比べて環境への負荷を減らすことができます。

カトラリーに使用した素材は、衛生面を考慮してバリア性紙素材の「シルビオクリア」に包装し、お客様に配布しました。

高透明紙を使用した中身が見える紙製バリア素材
「SILBIO CLEAR(シルビオクリア)」

パッケージング推進センターでは、プラスチックフィルムの代替としての紙製パッケージ素材の開発を進めています。この新素材である「SILBIO CLEAR(シルビオクリア)」は、透明性とバリア性を両立しており、中身を見せたい食品や日用品の包装に最適です。さらに、バリア性とヒートシール性に加えて、中身が見える機能も備えています。また、紙マークの付与も可能です。

この度のコンサートでは、衛生面からカトラリーを包装する必要がありました。しかし、不透明な紙の包装ではフォークとスプーンの区別がつかない問題がありましたが、「シルビオクリア」がこの問題を解決しました。

「SILBIO CLEAR(シルビオクリア)」は、高いバリア性能と透明性を実現した特長があります。バリアフィルムと同等の性能を持ちながら、高透明紙を使用することで減プラにも貢献できます。また、中身が見えやすく、紙マークの付与も可能です。

さらに、高透明紙とヒートシール OPPを組み合わせることで、酸素、水蒸気、香気の侵入を防ぎます。外気からの酸素や水蒸気を防ぐだけでなく、内容物からの水分蒸発や香気も防止します。

→「SILBIO CLEAR(シルビオクリア)」をはじめとした「SILBIOシリーズ」紹介サイトはこちらから

マテリアルリサイクルに対応した紙カップ原紙

この度のコンサート会場では、パッケージング開発センターの環境配慮型製品として、「SILBIO CLEAR(シルビオクリア)」の他にもう一点、紙としてリサイクルができる紙コップをご紹介いたしました。
通常、紙コップや牛乳パックなどに使用されるラミネート紙は、現行の紙リサイクルシステムでは扱えず、可燃ごみとして処理されるため、マテリアルリサイクルの観点で課題が残っています。

それに対し、同センターでは、特殊な水系樹脂を紙表面に均一にコーティングすることで、紙コップに必要な耐水性、耐油性、ヒートシール性を備えつつ、現行の紙リサイクルシステムで紙の原料としてリサイクルが可能なコップ原紙を開発しました。この技術により、環境に配慮した紙コップの製造が可能になります。

今後の取り組みについて

コンサートスタッフ一同からは、カトラリーに関してプラスチック製品と同等に使えるという意見や、紙製パッケージ素材やリサイクル可能な紙コップ原紙に対して非常に好意的な反応をいただきました。特に、環境に配慮した製品であることに対する評価が高く、多くのスタッフから支持をいただいています。

イノベーション推進本部は、今後もプラスチック削減やリサイクル可能な素材の開発を進め、環境負荷の低い製品の開発と拡充に取り組み、持続可能な社会への貢献を目指します。

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