イノベーションストーリー
Innovation Story
国内初のリサイクル技術が万博で実用化!

王子ホールディングスは日本テトラパック株式会社とゴールドパック株式会社と連携し、
これまで焼却処理が中心だったアルミ付き紙容器を再生して、
段ボール化する国内初のリサイクル技術を実用化しました。
そして、再生された段ボールは、2025年大阪・関西万博の北欧パビリオンにて、
配布用ミネラルウォーターの梱包材として使用されています。
国内初!アルミ付き紙容器から生まれた段ボールの実用化
今回使用する段ボールは、大阪・関西万博の北欧パビリオンで来場者へ配布される「ノルディック・サークル」オリジナルデザインのミネラルウォーターを梱包するもので、国内で初めてアルミ付き紙容器の古紙を使用した再生段ボールが実用化された事例となります。

大阪・関西万博で実際に使用されているアルミ付き紙容器古紙を使用した再生段ボール
三社間でのリサイクル革命、食品業界への普及を目指す取り組み
アルミ付き紙容器のほとんどは従来、焼却処理されるサーマルリサイクルが主流で、紙製品への再利用(マテリアルリサイクル)は3.6%※にとどまっていました。
王子ホールディングスと日本テトラパックは、アルミ付き紙容器を段ボールへ再生する国内初のリサイクルシステムを構築し、今後の展開として食品業界などへの本格普及を目指しています。
ゴールドパックが「ノルディック・サークル」オリジナルデザインのミネラルウォーターを製造し、再生段ボールを採用したことを皮切りに、今後さらに再生段ボールの採用が加速することが期待されます。
※「アルミ付飲料用紙容器のリサイクルフロー調査報告書(2023年度実態)」(印刷工業会液体カートン部会/㈱ダイナックス都市環境研究所)


(上図) アルミ付き紙容器から段ボールへのリサイクル概念図
(下図) 関西万博の北欧パビリオンで実際に使用されている様子
各社関係者からのメッセージ
■王子ホールディングス株式会社 グループオペレーション本部 リサイクル推進部長 島谷啓二
「王子グループは、経営理念の一つである「環境・社会との共生」に基づき、環境問題への取り組みを積極的に行っています。その一環として、液体紙容器を含む、様々な紙容器をリサイクルできるようシステム構築を進めています。このたび、アルミ付き紙容器を含めた古紙リサイクルのさらなる拡大をテトラパックと共同で目指します。本取り組みを通じて、サステナブルな社会の実現を推進します。今回のEXPOでの実用化は、紙資源の循環利用に向けた大きな一歩です。より多くの企業・自治体と連携し、回収拠点とリサイクル技術の拡充を目指します」
■日本テトラパック株式会社 サステナビリティディレクター 大森悠子
「テトラパック・グループは、2050年までにバリューチェーン全体の温室効果ガス排出をネットゼロにする目標を掲げています。使用済み紙容器の焼却処理から排出される温室効果ガスを削減するため、全ての紙容器が捨てられることなく、確実に回収・リサイクルされることを目指しています。紙容器が段ボールへリサイクルされる取り組みは、国内初の試みとなります。新たなリサイクル製品の創出により活用用途が広がり、回収・リサイクルのさらなる促進が期待されます。今回、各社のご協力のもと、紙容器入りのボトルドウォーターを再生段ボールを用いて出荷し、万博という象徴的な場でご提供できることを大変嬉しく思います。1本のボトルドウォーターを通して、資源循環、環境価値を実感していただけると思います。今後も紙容器の回収・リサイクルの取り組みを促進し、再生段ボール等リサイクル品の活用機会を増やし、循環型社会の実現に貢献してまいります」
■ゴールドパック株式会社 経営企画部 百瀬淳吾
「ゴールドパックは、企業活動における環境方針として「企業活動と自然・地球環境との融和の実現」を掲げ循環型社会実現への貢献を目指し様々な取り組みを進めています。
そうした取り組みが評価され、当社は『令和6年度、水循環に資する取り組みを積極的に実施している企業として内閣官房水循環政策本部事務局の「水循環ACTIVE企業」として認証されました。
そして今回、新たな取り組みとして、アルミ付き紙容器を再生した段ボール活用への取り組みに参画いたしました。この再生段ボール活用は、当社の環境方針に合致するもので、単なる“包装資材”ではなく、使用後の紙容器がもう一度価値を持って生まれ変わる、その循環の姿を来場者の皆さまに直接届けられることは企業としての大きな喜びです。今後もこうしたパートナーシップを通じて、循環型社会の実現に貢献してまいります」